トーチカ〜瑠璃シーン⑥前編11

小説です。

人に言えない嗜好や秘密、官能
人間はそれをどう思うか
自分でどう対処していくのか。

みんな違って、みんないい。
人と違う自分を異常と責めないで。

これはアメブロで書いている四人の10年間の人生、官能でもある小説トーチカのミラー版?です。
記事を削除されてしまうので、はてなさんでチャレンジしてみます。


瑠璃シーン⑥のキャッチコピーは、
俺とお前の攻防戦。
(チカ曰く、なんだそうな。)

じわじわくる、サスペンス劇場。

半年以上続いたトーチカ~神楽シーン⑥が終わり、
トーチカ~瑠璃シーン⑥始まりました。
トップモデルとなった瑠璃の真骨頂とも言える、瑠璃シーン⑥となります。

瑠璃の魅力、瑠璃チカの結婚式、そして妊娠までを書きます。

神楽シーン⑥が男眼線のエロならば、
瑠璃シーン⑥は女眼線のエロとなるでしょう。

神楽シーン⑥での、瑠璃シーン側では、何が起こっていたのか?
真実は、こんなだったという意外性満載!

神楽シーン⑥のテーマは、パートナーシップ、そして逢えない長い夜を越えて。
瑠璃シーン⑥でも、テーマはパートナーシップ、でしょう。


トーチカ~瑠璃シーン⑥前編10
瑠璃のヌードの写真をチカは撮り始める。
そして、瑠璃の縛られたい、痛くされたいという願いを叶えていく。
それは同時に自分の欲望だと、チカは知った。

↑これ計11回アップしたのです。
熱に浮かされていた時だったので、消されても、数日かけてしつこく懲りずにアップしていたのか、と平常時に戻ると改めて。驚く。

あきらめないもん。


何が削除原因か?
とにかく様々に固有名詞がダメみたいですね。
あっさり、いいときもあるんだけど。

TLやBLも、修正すると全年齢対象オッケーになるけど、露骨描画だと18禁になるように、表現をぼやかすと、いいみたいね。



わたしが書く小説というのは映像で見えてくるのを文章化しているのですが、この文章で女性の(もちろん男性もね)オ ーガズムのお手伝いにもなればいいな、とも思っています。


トーチカ神楽シーン①
東三河に住む、未来を知っている少女
神楽の眼線
神楽シーン⑥で、東三河から神奈川に嫁入りしました。

トーチカ~瑠璃シーン①
神奈川に住む、ティーンズモデルの美少女
だった瑠璃の眼線
今は世界に立つスーパーモデル

神楽シーン瑠璃シーンの同時期を交互に書いていきます。
どちらにも童顔、永遠の少年の二花(つぐはる)が絡んできます。

トーチカのこれまでの話のリンクはこちらから

トーチカ以前の物語はこちら↓

来る潮帰る波
神楽の母が亡くなったことを、その兄(神楽の父になった人)が回顧する話

実になる花~追伸
モデル瑠璃の母、女優実花と、父、アーティスト椎也の物語。


ロンドンの街並みのざわつき、鳥のさえずりとか聴こえてくる感覚。

BGMにミニーリパートン"Lovin'g you"とか、いいですよ。

"カルメン組曲"。
今回、チカが語ってくれます。
オペラカルメンの作中曲は
日本人はどれも聴き覚えがあります。


ブログに書いたけど、つるの剛士さんの唄う"You're the only shinin' star"、聴き惚れたのです。
でも、ミポリンでもいい!
瑠璃もチカも互いにこんな感じでロマンチックに恋をしてます。






トーチカ~瑠璃シーン⑥前編11


ずっと来たかったジョージアのホテルのアフターヌーンティーを味わった。

「Lovely! 」

前回のロンドンウィメンズコレクションでの、各々のブランドで実際に披露されたドレスやバッグなどをモチーフに色とりどりの菓子が並ぶ。

瑠璃が来たベージュのドレスもクッキーにされている。

「これが世界中の人間に食べられてるかと思うと……」

チカは軽く舌打ちした。
隣りの瑠璃にしか聞こえない程度だが。

「俺の瑠璃たんなのに。俺だけの瑠璃るりなのに。」

嫉妬で震えている。

「あたしじゃなくて、ドレスよ。」

肩をしっかり出した丈の短い赤いドレスの瑠璃は、そんなチカが愛おしくて微笑む。

「瑠璃の着たドレスだ!ほら、ここに写真も飾られてる!世界中の人間が、お前の写真を見ながら、お前の着たドレスを喰うんだ!」

チカにしたら、耐え難い凌 辱なのだ。
だから、今季のアフターヌーンティーの内容が判っていながら、なかなか来たがらなかったのだ。

「いいわ、なら、あたしが食べるから。」

瑠璃はひょいと、そのドレス型クッキーを摘んで口に入れる。

「あっ!」

チカは慌てて、瑠璃の歯に挟んだそのクッキーを奪い、口に入れた。

「もうっ!」

反応が読めていても、そんなチカが可愛く思うが、瑠璃は自分の着たドレス型のクッキーを奪われて、ふくれっ面をした。

「瑠璃るりのドレスを喰ったぞ……俺は本物のドレスも食べてもいい。いや、中身の瑠璃を喰っちまうぞ。」

わざと、はあはあとした息遣いで至近距離で瑠璃の顔を見ている。

「ドレス食べたら、大変よ。」

「いや、俺なら大丈夫だ。瑠璃の着たドレスなら、消化出来る。俺の栄養となり、血肉になるんだ、瑠璃が。」 

ぺろんと、長い舌が瑠璃の唇を舐 めた。
チカだから、もはや人前でも、そんな行為に恥ずかしげの微塵も無い。

「瑠璃るりの体液も 飲んで、瑠璃たんの肌の老廃物も食べて、あとは何食べようかな。瑠璃っちなら、なんでも食べたいっ!」

新たな愛称が増えたなと感じつつも、瑠璃はにこやかに笑みながら、チカの口を手で塞いだ。
このレストラン内で、何処の誰が日本語を理解しているか不明なのだから。

「恥ずかしい事を人前で言うのは、やめなさいよ。」

チカは少々赤くなっている瑠璃の手を外し、耳元に唇を寄せた。

「いつも、瑠璃を噛みちぎって 食べて、ってねだるクセに。」

どうせ、そうやって瑠璃の反応を楽しむのだ。
瑠璃は顔に出さないように懸命に堪えた。
チカは、シャンパンを飲みながら、ふっと笑う。

「可愛いよ、瑠璃。食べてぇって、本当は言いたいのにね。我慢してる、その顔、堪らないよ。」

言葉の途中で瑠璃の身体が小刻みに震え出したのを、チカは氣づいているからこそ、その近さで瑠璃の顔を微笑みながら観察している。

「ここにいるみんなは、瑠璃を女王さまだと思ってるかな?いじめられて悦ぶ瑠璃だなんて、知らないよね。こんなに俺に従順な、超ドMな瑠璃なのに。」

煽りがエスカレートする。
瑠璃は、はあっと熱い息を吐いた。
堪えているが周囲からは、チカの囁きに瑠璃がうっとりと喜んでいる、甘いカップルのようには見えるだろう。

チカの熱い手のひらが、瑠璃の剥き出しの膝に触れた。
瑠璃は大きく揺れる。

「よく、声を我慢したね。ああ、だけど、顔がもう限界かな。」

判っていて、さらにいじめるのだ。
この、チカの嬉しそうな表情に、さらに子宮が熱くなる。

「瑠璃の身体、最近とても熱いんだ。燃えてるね。特に、熱いよ……溢 れ出してるよね、今。」

チカには、瑠璃のちょっとした身体の動きや表情で読めるのだ。
瑠璃は恥ずかしさで、ぎゅっと膝同士をきつく閉じて、膝の上のチカの手を摑んで離そうとした。

「ちゃんと我慢しないと、ご褒美はないぞ。」

「あっ……」

瑠璃の小さな喘 ぎに、チカは笑った。

「声が出ちゃったね。瑠璃の負けだ。力入れて膝を閉じたから、余計に刺激されたんだよ。こんないや らしい娘には、ご褒美は無いね。」

瑠璃は首を横に振った。

「ごめんなさい。瑠璃、なんでもします。お仕置きキツくしていいから、ご褒美ください。」

そんな懇願すら顔を変えないように、静かに小声で呟く。
この恥ずかしさも、快感、だ。

「瑠璃は、とてもいや らしい娘だね。こんな人前で、恥ずかしいおねだりするんだ。おねだりしたら、また溢 れちゃったね。もう、瑠璃はびち ゃ び ちゃですって、言いなさい。」

チカの低い声が子宮に響く。
今すぐ、この男の精 子が欲しいと、子宮が熱く 疼 き出す。

「瑠璃、いや らしいの。もう、び ちゃ び ちゃです。止まらないの。登規さんの指が欲しくて、じゅん じゅん してます。もっと、ぐ ちゃ ぐち ゃ にして。」

「うん。瑠璃は恥ずかしい事を言われるのも言うのも大好きだからね。こんな人前なのに、俺の指が瑠璃の ぐち ゃ ぐ ちゃ な中を 掻き 混ぜて 欲しいんだな。」

チカは嬉しそうに頷いている。
瑠璃は震えて口元を手で押さえた。

「瑠璃、これ以上 溢 れさせたらドレスが汚れるぞ。」

「いや……。」

「lavatoryに行きなさい。」

チカは瑠璃の限界点をよく知っているからこそ、こうして人前で瑠璃が悦ぶ範囲で楽しむのだ。
チカはニヤッと笑い、瑠璃の耳に口をつけて言う。

「下着を脱いでおいで。仕方ないだろ?汚しちゃったんだからね。この指で少し 混ぜてきなさい。で、洗わないでね。」

瑠璃の右の中指にくちづけた。

「あっ、」

「声出しちゃダメじゃないか。」

「―ごめんなさい。」 

瑠璃は、ふらつきながらも立ち上がる。
しかし、颯爽と美しく歩いていった。
トイレの個室で、がたっと膝が崩れるように座り込む。

チカの、この人前での煽りが最高だ。
濡 れた下着を脱いで、長い指で 弄 りだす。
もうすっかり潤 っているから音が響くので、最初はゆっくりと動かした。

「あっ、」

トイレには誰もいない事を確認しているから、音に構わず 指を動かした。

「んっ、くっ、」

大量に液体が飛び出てくる。
登規さん、こんなに手が汚れちゃったわ。
瑠璃は震えながら、頭の中でチカに対して、そう伝えた。

これが、距離の隔たりが関係あるのかどうかは判らない。
だけど、チャスに欲情された時に瑠璃の危機を感じて、チカは助けに来たのだし。

手をペーパーで拭いて、もう一度、指を 挿 れる。
瑠璃、こんなにいや らしいの。
登規さんに調 教されて、こんな恥ずかしい事が悦びになったの。
登規さんは、どう?
瑠璃がこんなに 淫 乱で、嬉しい?

達してから立ち上がり、瑠璃は何も穿いていない 股に恥ずかしがった。
これ以上濡 れてしまったら、太腿に垂 れてきてしまう。
人にバレる訳にはいかない。
その羞恥心が、余計に瑠璃を興奮させる。

瑠璃、我慢するね。
我慢するから、ご褒美、頂戴ね。

瑠璃は右手を使わないように左手を洗い、トイレから出てきて、平然とした顔でチカの横に座った。
歩いてくる処から、チカはじっと瑠璃の姿を薄い緑の眼で観察していた。

瑠璃がチカの顔の前に出してきた右手に、チカはくちづける。

「潮?」

愛おしそうにその手に唇を動かしながら、瑠璃の眼を真っ直ぐ捉えている。

「だと、思うわ。」

その延長線上で、中指を咥 えてくる。
他人には、恋人たちの仲睦まじい触れ合いに見えるだろう。
しかし、瑠璃は声を漏 らさないように、顔に出さないように、とてつもなく身体を硬直させていた。

「いい味だ……美味しい。瑠璃の甘さが、僕は何より大好きだ。このお菓子たちよりも。」

その囁きに、口中の密やかな舌の動きに、瑠璃は眼を潤 ませる。

「それ以上、顔に出したらダメだからね。」

指を口から離して、チカは瑠璃を見つめ、歯止めをかける。

「可愛いよ、瑠璃。恥ずかしい事が大好きな瑠璃。命令されて悦んで、ホテルのレストランのlavatoryでindulge in onanismなんてね。人にはとても、話せないね、本当の瑠璃の姿を。」

チカだけがこんな瑠璃の本性を知っているからこそ、快感なのだ。

「さあ、食べるよ、美味しいお菓子を。」

「―ええ。」

「僕はいっぱい食べるからね。その後の後、だ。」

チカは、にっこりと微笑む。

「瑠璃を囓るのは、その後の後だよ。」

「はい。」

涙眼になりつつ、サンドイッチを口にした。
長い事焦らされるのが判っているから、栄養補給もしておかないと、と学習したのだ。

チカはお替わりをして、瑠璃の着たドレスモチーフのクッキーを瑠璃に食べさせた。

「美味しいだろ?」

「美味しいわ。」

「本物の瑠璃は、もっと美味しいんだよ。」

「瑠璃は登規さんに食べてもらうの。」

「当たり前だろ。美味しく味合わせて貰うから。」

今日はどんな風に味合われるのだろう。
先日はベッドに寝転んだ瑠璃の上に大量の薔薇の花弁を蒔かれ、瑠璃を味合うと共にチカは花弁も食べていた。
花弁を乳 首の上に置いて、そのまま吸っていた。
その身体の記憶もまた、瑠璃を疼 かせる。

常にいちゃつきながら食して、席を立った。

「あの、瑠璃ちゃん。」

その後ろ姿を声を掛けられた。
瑠璃はにこやかに振り返る。
三つ先のテーブルに座っていた東洋人風の女性だった。

「ここで瑠璃ちゃんに逢えるなんて嬉しい。ファンです。握手、して頂いても宜しいですか?」

「ええ。」

ほら、日本人はあちこちにいるわよ。
瑠璃は恥ずかしい会話も小声でした事に心底安堵したが、それでももし聞かれていたら、と思うと焦っていた。

食後にまたトイレに行き手をしっかり洗っているので、瑠璃は安心して艶やかに右手を差し出した。
女性が、手を握り返す。

「柔らかい手!見たよりももっと、華奢ですね。」

褒められた滑らかな手。
以前はもっと力強く、手入れもせずに怪我をしても氣にしなかった。
チカに手の動きをしっかりと観察され、自然と柔らかな女性の仕草になった。
全部、チカのおかげなのだ。

瑠璃が女の中の女として、艶やかに魅力的に淑女として且つエロティックに佇んでいられるのも、チカが瑠璃を扇情させていったからだ。

「ありがとうございます。」

褒められた事がただ嬉しくて、瑠璃はにっこりと微笑んだ。

「わたし、ロンドンのcosmetics shopで働いてます。もし、何かあれば、よかったらお越しください。瑠璃ちゃんのお手伝いが出来たら光栄です。」

彼女は店のカードを渡してきた。

「そうなんですか?是非、伺わせて頂きますね。」

化粧品が大好きな瑠璃だ。
店で、じっと化粧品を見ているのも大好きなのだ。

「ええ、是非!」

瑠璃の返事に、彼女もとても喜んでいた。

「お噂通り、とても仲が宜しいんですね。まるで映画を観ているようで、おふたりに見惚れてしまってました。お似合いで、本当に映画のシーンのようでした。」

彼女は赤い顔で瑠璃とチカを見上げて興奮している。
見られていた。
本当は淫 らなやり取りをしていた処を、観察されていたのだ。
瑠璃は恥ずかしさから、組んでいたチカの腕をさらに、ぎゅっと摑む。

「恥ずかしいです!どうしてもロンドンだと氣が緩んでしまって、人前でも触れ合ってしまって。」

「それだけ仲が宜しいんですね。ステキです!広告でも、とても自然に仲良さそうに見えてましたよ。」

褒められた、という事にしよう。
瑠璃は照れながらも微笑んで頭を下げた。

「お忙しい中、ごめんなさい。握手、ありがとうございます。瑠璃ちゃんの、更なるご活躍、楽しみにしてます。」

彼女は瑠璃とチカににこやかに頭を下げて、席に戻っていった。
金髪と銀髪の女性三人とアフターヌーンティーに来ていたようだ。

「ほら、チカ。お願いだから、普通の声で恥ずかしい事言わないでね。」

日本人が、日本語の判る人間が、何処にいるか判らないのだ。

「恥ずかしい事?俺がいつ、恥ずかしい事を言った?」

「瑠璃の体液を 飲むって言ってたじゃないの。」

小声でそう口にし、瑠璃はチカの腕に、赤らめた顔を隠した。

「俺にはちっとも恥ずかしくないな、別に人に知られても。何故なら、瑠璃の体液は  聖水だからだ。清らかだ!何もかも清いのだ!瑠璃さま、わたくしめに聖水をお与え下さいっ!」

そう堂々と、わざとらしく語る処が恥ずかしいのだ。
瑠璃はチカの脚を軽く蹴った。

「ああ、いいぞ。そうして人前で蹴ってろ。瑠璃がSに見えるかな、人からは。瑠璃っちがこんな超ドMだって知ってるのは、俺だけだからな。今すぐ、可愛い瑠璃っちの 後ろに、尻尾 ず ぶっと 挿 して  やり てえ。尻 振れよ、その姿で。」

恥ずかしいから、再度蹴った。
チカはニヤニヤとしていた。
この、ドS男。
大好き、このドS。

「手首 縛ってな。バニーガールの格好して、尻尾生やして、ケツ 振るんだよ。」

「嬉しいけど……バニーガールの衣装はどうするの?」

それも我ながら似合いそうだ、と瑠璃は頭の中で想像した。

「買ってやる!ああ、いろんな衣装が欲しいっ!明日、買うっ!こっちなら、身長の高い瑠璃に、ぴったり合うんだ!おっ ぱい デカいから、胸まわりは合わないかもだけど!」

チカも想像したのか、少しはあはあと息を乱した。

「いちばんいいのが、セーラー服だけどね。禁断の教師と生徒編 in the classroom。」

「チカ、ストーリー作るの好きよね。」

チカのシナリオで、それを演じさせられる事も多々ある。

「瑠璃の演技もいいんだよ。最高だよ、『先生、やめてっ!』なんて、もー堪んねえ。」

チカの迫真の演技の方が凄いけれど。
そう思ったが、瑠璃は黙って微笑んだ。
背後にジョージアが見えたからだ。

Ruri, Touchika, Thank you for making time for we today.  」

瑠璃はジョージアに手を差し出す。
ジョージアは微笑んで瑠璃の手を握った。

「Really delicious! Thank you, Georgia. 」

本来ならば予約を随分前から入れておかないと、このアフターヌーンティーは食べに来られないのだが、前々日に連絡を入れた瑠璃とチカには優遇をしてくれる。
それが嬉しくもあり、有り難かった。
それも、ジョージアとチカが昔馴染み、という間柄ではないと無理なのだが。

だから瑠璃は、今自分がここにいるのは全て、チカのお陰だと感謝している。
瑠璃に世界で通用する魅力が無ければ、幾らコネがあろうと叶わなかったが。

あたしは、コネに恵まれている。
両親、そしてチカ。
もしくは見えない部分で、二花に支えられている。

それも才能だと、二花は言った。
偶然にあたし、なのではなく、あたしだからこそ、この世界に立てたのだ。
と、思うようにしている。
でなければ、世界四代コレクションモデルに成りたい、専属モデルに成りたいというモデルたちの嫉妬をかわせない。

だけれども。
自分を鏡に映せば、成る程、世界に通用する美人なのだと納得する。
それが日本人だからこそ、神秘性が増し、この西洋の地でウケるのだ。
その瑠璃の頭の声を読んだのか、チカはニヤッと笑った。

「We are thankful for simply because you come to the restaurant. Only by the word of mouth, the reservation from a Japanese is worthy. 」

ジョージアの言葉通りに、瑠璃がこのアフターヌーンティーを食べに来たという口コミだけで、本当に日本からの観光客からの予約が絶えないならば光栄だ。

「But it's painful to me that her dress-shaped biscuitis eaten by various people. (だけど、彼女のドレス型のクッキーが様々な人たちに食べられている事は、僕の痛手なんだ。) 」

「Touchika, You are the incarnation of the jealousy.  (登規、君は嫉妬の権化だね。)」  

ジョージアは少々呆れて、チカを見上げた。

「Yes, indeed! 」

チカは自信を持って、威張りながら肯定した。
その緑の眼を輝かせながら。

「また、帰る前に、ここでフレンチ食べような。」  

ホテルを出て、用意してくれたブラックキャブに乗り込む。
チカは嬉しそうに瑠璃の腰に手を廻した。

「フレンチなら、瑠璃っちのドレスのクッキーは現れない!」

「サプライズで出すかもね、もしかしたら。」

瑠璃は上目遣いでチカを見上げる。

「有り得るな。俺は相当、ここのホテルとGeorgiaにいたずらしたからな。いたずら返し、あるかも。」

大人に自分の幼少期のいたずらを返されるだなど、どれほどのいたずらをしたのか、心配になってしまうが。

「さあて。瑠璃を 嬲 るのは、まだ先だ。」

「我慢……出来ないかも。」

瑠璃は大きく甘い息を吐く。

「我慢出来ない?なら、垂 らすのか?人前で。」

瑠璃の耳元でささやく。
運転手が日本語を理解している場合だとてある。
だから、聞こえないように小声でふたり、しかも声に出して会話するという際どさを楽しんでいるのだ。

「び ちょ び ちょに垂 らしてっていいよ。瑠璃が、それを望むならね。」

「望む訳、ないわ。」

そんな、淫 らで顕な姿を見せていいのは、チカだけだ。

「瑠璃、今夜はムリヤリ 設定でするぞ。」

「―ええ。」

喜んで!
と瑠璃は返したかったが、溢 れてきそうで、ぐっと全身で堪えていた。
シナリオ通りに、瑠璃がやめて!と抵抗する中、チカが力強く後ろから押さえて 身体中を愛 撫していく遊びだ。

あの、犯 され感が堪らないのだ。
チカが興奮しすぎて、服を破いた事もある。
ふたりの、そんな遊びを楽しんでいる。

瑠璃がオペラを見るのは初めてだった。
ロンドンに滞在する中、チカに連れられてミュージカルや小舞台をちょくちょく観に行った。
観劇も、表現するという学びになるからだ。
そうでなくとも、観劇は純粋に楽しい。
勿論だが台詞はずっと英語ばかりなので、途中、瑠璃は頭が疲れ、演者の台詞が頭に入らなくなり、眠くなるが。

オペラは特に緊張する。
お洒落な上流な大人の趣味、という未知の世界だからだ。

「まあ、フランス語だから、瑠璃にはワカンナイだろうけどね。」

「ワカンナイの知ってて連れてきたのね。」

席に着いて、瑠璃は軽く鼻息を吹く。

「オペラってずっと独特な唄だから、何語だろうと、よくワカンナイよ。でも、世界観や演技は必見だと思うけどね。」

チカが、そう勧めるのだ。
瑠璃は楽しみにした。
おそらく、ここは、とても眺望のいい席なのだと思う。
チカが独自に席を取ったのか、何かのコネで取れたのかは、瑠璃には判らない。
だけど、瑠璃の何かしらの学びになるように、チカはいつも力を注いでくれるから、全てを任せているのだ。

世話をしてくれる男がいないと、自分は何も手配が出来ないと瑠璃は知っている。
それをずっと父がしてくれていたし、今はチカがしてくれる。

そして、万が一チカがいなくなったとしても、瑠璃の世話をしてくれる男は後を絶たないとも、瑠璃は知っている。
自分はそういう女なのだと、自覚している。

だから、自分が何かをする必要もない。
逆に、しては、いけない。
瑠璃は美を追求し、それを表現するのみだ。
その為に快楽を求め、官能の世界を味わい切るのだ。

カルメンは、そんな女だよ。まあ、瑠璃のような母性はなくて、生粋の悪女だけどね。」

自分だとて、見方が違えば悪女、と罵られる事も今後起こるかもしれない。
その氣は無くとも、男たちを誘惑していくのだから。
身体が男を求めてしまうのだから。

しかし。

瑠璃は隣りのチカの顔を見つめた。

この男が、そうはさせないだろう。
瑠璃を貶める発言には、世間を導かせないだろう。

チカは紳士に微笑んで、そんな美麗な瑠璃を眺めている。

「僕は、あなたの為に用意された花婿なんだろうね。」

「そうね。」

誰が、どうして、その道を選んだのか。
これは、何のゲームなのか。
この道なりを俯瞰して楽しいのは、誰だろう。

カルメンの振る舞いが官能的なオペラを観ながら瑠璃は、チカに今、いきなり後ろから されたいと、ぼんやり考えていた。
どちらの 穴も、続けて 犯 されたい。

チカはそんな瑠璃の手を柔らかく握ってきた。
願望は、すっかりチカに読まれているのだろう。

最初から、きっと。
チカは瑠璃の願望を読んでいた。
あんなに憎い男なのに、いつしか、チカに後ろから 犯 される事を夢想していた。

ムリヤリ されて、ダメと言いながらも、感じきっている自分を想像していた。

美女のジプシー、カルメンは、自分に唯一靡かない男、衛兵のホセを誘惑する。
ホセの人生を狂わせ、嫉妬により、カルメンはホセに刺し殺される。

「よく聴く曲が、カルメンの曲だったのね。」

観劇後、チカに腰を支えられ、瑠璃はチカの腕に密着して歩いていく。

「ああ。俺は日本に来てから運動会でカルメン前奏曲を聴いて、驚いたよ。なんで子どもの運動会に、官能的で男を誘惑する事が楽しみの、結局、男に刺し殺されるジプシーの女の曲が流れるんだって。」

確かに、チカ眼線なら、そうだろう。
登規少年にとって、日本は神秘的でありながら、訳の判らない国だったのだ。

「殺されちゃうのね、男の嫉妬で。」

瑠璃は、くんくんとチカの脇の匂いを嗅いだ。

「ああ、殺しちゃうんだよ、男は嫉妬で。」

チカは愛おしそうに、そんな瑠璃を眺めている。

「あたしも、殺されちゃうのね。」

「血は出さないけどね。殺しちまうぞ。」

チカの宣言した通り、瑠璃の脳内をチカに冒される。
全てチカで埋め尽くされる。
瑠璃の思考の欠片も無くなり、この身体はチカに玩 ばされる、生涯。

それも、最高のお仕置きだ。

「俺は動いて喋る瑠璃が好きなんだから、それは最後の手段だ。俺の手の内に留める為の。お前が他の男の子どもが欲しいというなら、俺はそれを実行する。」

暗い場所だから、チカの眼は褐色に見えるが、眼つきが厳しくなっている。

「いいの、あたしは、そうされたとしても。」

それが脳の死であろうと、本望だ。
犯罪にはならない、あなたに殺されるあたし、なのだから。

「そんなのは極刑だ。そうさせないように、しろよ?」

「判ってます、登規さん。」

だからこそ、チカとこうして会話が出来、自分の意思で触れる事が出来るというのが、有り難さすら感じる。

「素晴らしかったわ、カルメン!何唄ってるのかはちっともだけど、でも、人の演技って言語が判らなくても通じるの。あたし、もっと全身で表現しないといけないわ。」

芸術を堪能すると、その完璧さに刺激される。

「ああ。その意欲は大切だね。瑠璃は常に前進あるのみだ。」

「ええ。」

笠田に最初に言われた事を思い出す。
瑠璃は止まったら朽ちるタイプなのだろうと。
例え失敗をしたとしても。

誰に止められようと自分が決めた事に押し進むから、失敗もするだろう。
全力で傾けた事だから、嘆きも深い。
だが、その分、勝ち得た悦びはとてつもなく大きいのだろうね。

笠田のその言葉は、その後ずっと、瑠璃の励みになっているのだ。
だから動ける、迷いがあっても。

家に帰ると、チカはいきなり乱暴に瑠璃の手首を後ろ手に 拘 束した。

「いや、や……やめて、やめてくださいっ!」

チカのシナリオ通り抵抗する瑠璃に、チカは胸を 鷲掴みにして、顔をテーブルに押しつけた。

「何がイヤだよ、この変態女。下着も 着けずに、こんなに濡 らしてやがる。」

音を立てて 掻 き混ぜるから、瑠璃はただ、喘 いでしまう。

「なあ、されたかったんだろ?男に ムリヤリ 後ろから 犯 されたかったんだろ?だから、下着を脱いでたんだろ?すぐに 硬いの 挿 れて 欲しかったんだろ?」

「あ……イヤっ!」

いいの、こんなの、ゾクゾクする。
チカの声が本氣で恐ろしいから。

「イヤ、だ?床に、こんなにいや らしい液を垂 らしやがって、この変態女。してくださいって、言えよ。犯 してくださいって、言えよ。」

指の本数が増えて、瑠璃は叫ぶ。
いい!良すぎる!
口端から涎が垂 れていっているのが、意識が飛びそうな自分でも判る。

「やめて……」

息も絶え絶えに懇願する。
本音は裏腹だ。
やめないで!
犯 して、もっと!

「身体は、こんなに正直だな、お姉さん。欲しいんだろ?挿 れて 欲しいんだろ?」

「……って、」

「何?聞こえねえぞ。」

瑠璃の長い黒髪を左手に絡 ませ、ぐっと後ろに引っ張る。

「はっきり言え。」

髪を引っ張る事で、瑠璃の顔を自分に近づけさせる。
ああ、こんなに乱暴なのは、初めてだ。
これが、とてつもなく嬉しい。

「……れて、」

「聞こえねえ。」

パーンと 尻を 叩かれた。

「あ、っ!あ……っ、はぁ あ ん っ!」

ビリビリと痺れる。
波紋のように快感が到達していく。
ここまで強く 叩いてくれて、感激して涙が出てくる。

「変態だな、この女。尻 叩かれて、悦んでやがる。」

パシーンと、また叩かれた。

「ぐうぅぅうっ!」

尻の頬の刺激と、髪を適度に引っ張られている刺激とで、瑠璃にはもう充分過ぎる、悦びのお仕置きだった。

「ほら、ケツ 突 き出せよ。」

尻を摑まれ、瑠璃は言われた通りに尻を 突 き出す。
また指が入ってきて、音を激しく立てた。

「や らしい 穴、丸見えだぞ。」

見てね、チカ。
全部見てね、瑠璃を。
瑠璃の 中まで、よく観察してね。

「おねだりしろ。じゃないと、挿 れてやらねえぞ。欲しいんだろ?ほら!」

髪から手を放され、取り出した モノで 尻を叩かれた。

「や、やあっ!ダメ、こんなの―入んないっ!」

当たる感触で硬さと大きさが判る。

「入らない?試してみるか?」

ずっ、と突然、挿 れてきた。

「ああー っ!」

「あっ……はっ、いい!ずぶ すぶ 入るじゃねえか。」

チカはこの、入った時が 堪らないと、いつも言う。
瑠璃が絡 んできて、おかえりなさいって言ってくるんだと悦んでいる。

しかし、すぐに抜いてしまう。

「あっ、やっ!いやっ!抜かないでっ!」

「入るかどうかの試しだろ?欲しいなら、おねだりしろよ、お姉さん。硬くて 太いので ガンガン 突 いてくださいって、言えよ。」

このパターンは最後まで演技し続けないといけない。
なので、本音と反対の事を口に出さねばならないのだ。

「いやっ!言えない、そんな恥ずかしい事。」

「じゃあ、無しだな。こっちにするか。」

ゴ ム を外してから瑠璃の頭を押さえ、勢いよく屈ませ、口に 含ませてくる。

「んーっ!」

瑠璃の口に 打ちつけてくる。
口の中、喉までしっかり入り、瑠璃は嘔吐く。
思わず口から外そうとしたが、構わず、チカはまたぐっと押しつけてきた。

「ー!」

犯 されている、本氣で。
ゾクッとする。
これが堪らなく、快感を得た。
瑠璃が苦しそうに咳き込んでいるのを、嬉しそうに見下ろしている。
また咥 えさせた。
ムリヤリ 根元まで 入れてくる。

いい、こんなの、いい。
して欲しかったの。
瑠璃はうっとりと、咽ながら、されるがままになっていた。

「お姉さん、スゴく氣持ちいい。巧いよ。いつも 咥 えてんのか?お前、好きものだな。どうだ?この デカいの、下の 口に 欲しくないか?」

口から離され、見下されている。

「欲し……です。」

とろんとした眼つきになり、チカの ソレを 摑んでいる。

「なんて言うんだ?」

「挿 れて……ください。」

「何を?」

「こ、コレ……大きいの、」

瑠璃は、その先を舌でつついた。

「うっ……コレ、じゃあ判んねえぞ。」

チカは氣持ち良さそうな顔をしている。
その弱い部分を攻められて。

「あっ、んっ、挿 れてっ!挿 れてくださいっ!この大きい―」

その顔を見ていたら、演技を忘れ、いつも通りに大声でねだっていた。
チカは瑠璃を立たせ、ぐっと、後ろから入れ込んできた。

「はぁ、あ ん っ!」

この勢いが大好きだ。
すぐに腰を 摑んで、打ちつけてくる。
それがいつもより激しかった。

当たり前だよ、ムリヤリ パターンなんだもん。
瑠璃は喘 ぎながら、このパターンを悦んでいた。

「や、あっ、いっ、」

音が大きく響き渡る。
それが大好きだ。

「ああっ!」

唾液で 濡 らした指が 後ろにも 入ってきた。

「こっちも好きか、お姉さん。いや らしいねえ。」

中で 揉 むようにしている。

「やあっ!ダメっ!そんな、しないでっ!」

「するする 入るぞ、いつも やってんだな、尻も。尻が 氣持ちいいなんて、この変態女。」

そんな風に攻められると、力が抜けてしまう。
下半身がふらふらになり、上半身がテーブルに引っかかかるようになっている。

「ぐっ……あ ん っ、ごめんなさい、こんなヘンタイで―お尻、氣持ちいいのっ!」

「尻が 好きか。ここまでの変態女には、もっとお仕置きしてやらねえとな。」

チカの口が乳 首を求め 吸い、ガリっと噛んだ。

「ああっ!」

「痛いのが嬉しいんだな、お前は。」

「そ……なの、」

こんなの、いい!
ゾクゾクする、チカがいつもより怖くて。

時折、乳 首を噛まれながら、尻を 叩かれながら、汗を受けながら、後ろから 両方 打ちつけられている。

「イ ク ぞ。中に 出すぞ。」

さらに強まり、そして、チカの動きが止まった。

「あっ……  あっ、ああっ!」

いつもより、氣持ちの良さそうな声だった。
その声に、瑠璃はぶるっと震える。
征服されたその悦びに、涙が溢 れてくる。
チカは瑠璃の手首を解放し、後ろから瑠璃を抱きしめてきた。

「―ごめん。かなり痛くした。」

チカはまた、猛省している。

「ううん、スゴくよかったの。こんな風に、いつもして欲しい。」

瑠璃の甘い声に、チカの溜め息が後ろから首にかかる。

「ヤバいな、マジで。」

「何が?」

瑠璃はそのままで首を後ろに向ける。
恥ずかしそうなチカの汗だらけの顔があった。

「マズい。こっちのが本性だよ、俺の。演技しながら、ノリに乗った。瑠璃がドM過ぎて、凄まじく いじめてあげたくて。」

「そうね。最優秀主演男優賞をあげるわ、今回のは。」

瑠璃は、そんなチカにキスをする。

「あたしになら、いいの。スゴく嬉しいの、あんなにされて、狂っちゃいそうだっ。こんなの、大好きなの。して欲しかったの。」

キスをしながら、チカは瑠璃の乳 首に触れる。

「こんなになってもか?ごめん、痛いだろ?かさぶた出来るな、これ。」

「赤ちゃんに噛まれた時の予習よ。」

「いや、ここまで噛まねえ、赤ん坊は。」

すりすりと指で撫 でている。

「ごめんな。」

「いいのよ。」

「喉も大丈夫か?」

「大丈夫よ。」

「お尻も―」

「これは、すぐに赤さも消えるわ。よかったの、あんな強いの、とっても。」

「ごめん。」

「スゴく興奮したんだってば。」

想い出して、瑠璃はまた、うっとりとした。
反省していたチカはその美麗な顔を見て、はあっと息を長く吐く。

「瑠璃たん、続けてのリクエスト、いい?」

「なあに?darling、なんでもいいわよ。」

落ち込みながらも、チカは隠れた欲望を、言い淀まず口にするようになった。

「綺麗な若奥さまに 欲情するセールスマン、やりたいなう。」

「なうって。」

微妙に古い事を口にした。

「抵抗する奥さんを 押し 倒して 全身 ナメ ナメして、奥さんもノッてきて、しゃ ぶりだしちゃうの。奥さん、旦那じゃ満足しないんだろ?って攻めてあげる。」

その口調が可愛くて、瑠璃は笑った。

「いいわ。また、服しっかり着ないとね。」

「おう。外から始めるから、玄関開けてくれよな。あ、途中、ネクタイで 縛って あげるね。」

「そ……、」

ゾクゾクとする。
ネクタイで 縛ら れるのだ。
リボンよりも、さらにしっかりとした生地で 縛ら れるのだ。
想像だけでも、濡 れてくる。

「ああ!瑠璃が超ドMで良かった!明日は絶対に尻尾つける!尻尾、ぶす っと 挿 してやるから。」

「お尻 振らなきゃね。」

瑠璃は顔を赤らめ、両手で頬を押えた。

夜中まで遊びを楽しみ、瑠璃がぐっすりと眠る中、チカは五時に起きて午前中は事務作業と電話確認をこなした。
瑠璃の作ったパスタを食べて、そして、学校に遅れる子どもかのように慌てて家を飛び出していった。

その手の店で、大量に衣装を購入してきた。
嬉しそうに笑って、瑠璃によく似合うと思うと、セクシー且つファンタジーなそれらを見せてくる。
獲物を見せつけるように。

それからすぐに、約束の尻尾を興奮しながら 挿 してきた。

今はチカが盛 っていると、バニーガール姿の瑠璃は、悦んでチカの顔の前で 尻を振った。


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「ご主人さまに甘い卵焼きー」

早朝、ふと眼が醒めた瑠璃は、眠っているチカの唇が動き出し、しっかりと喋り出したから、びくっと驚いた。
寝言だったようだ。
すぐに寝息を立てている。

こんな事は、よくある。
今回は日本語だったが、普段は英語の寝言だし、瑠璃には判らない言語の時もある。

もう、うなされないから、よかったわね。
瑠璃はチカのうねった髪を優しく撫でた。
この人の安心しきった寝顔を見ていると泣けてくる。

無防備な姿を瑠璃に見せてくれているのが、ただ嬉しいし、自分がチカを守りたいと心底願う。

泣きながらチカの頭を撫でて、瑠璃は起き上がる。
ロンドンの夏の朝は日の出がとても早い。
日の入りも遅くて、明るい時間が長いのだ。
今朝は朝食抜きで出る筈だったが、チカ所望の甘い卵焼きだけ作ろう。
卵を残しておいて、よかった。

昨夜、メイドコスプレをさせられたから、その続きなのだろう、チカの夢も。
瑠璃にはアダルトな雰囲気になり過ぎるメイド服だった。
チカは興奮して 胸元を 破っていた。
あれも縫い直さないと。
いや元から、胸が大きい瑠璃にはキツすぎて後ろのファスナーも閉まらなかったのだ。
そういえば、と卵焼きを作りながら、瑠璃は思い出した。

「おはよ。」

「おはよう。」

卵焼きを作り終わった処で、ボサボサ頭のチカが起きてきていた。

「これも夢かな?ご主人さま、食べてくださいって、瑠璃が僕に甘い卵焼きをあーんって食べさせてくる夢を見てたんだ。そうしたら匂いが漂ってきて。ただ、唯一違うのは―」

チカは瑠璃の後ろから抱きしめ、キスをしてくる。

「瑠璃っちがメイド服着てない。」

「チカが破ったから着れないわよ。」

瑠璃は笑って、チュッとキスを返した。
並んで座って、チカにあーんと食べさせた。

「おいちいっ!甘くておいちいの、瑠璃たん!」

「よかったわね、トウチカくん。」

「うーんっ、甘いっ!おいちいっ!瑠璃たんの作る甘い卵焼き、僕、だぁーい好きっ!」

かわいこぶって、大きな身体を感激で震わせている。
あーんと、甘えてくるチカに食べさせていく。

「瑠璃たんも食べようよ。」

チカは箸で卵焼きを摑んで自分の口に半分程入れ、瑠璃の顔に近づける。
瑠璃はそれを齧った。
唇が当たりながら、互いに咀嚼している。

「あたしには、甘すぎなんだけどね。」

「はふんっ!自分が好きじゃないのに、僕の為に甘い卵焼きを作ってくれるの!あーんっ、もうっ、瑠璃るり、可愛すぎるぅ!」

その、両手をぷるぷる振る様子のチカの方が可愛すぎるけれど。
チカのどのキャラも、好き。
チカが紅茶を淹れてくれ、味わってから支度をした。

「いい子にしているのよ。」

四日間留守にするから、瑠璃は出る時に、家にそう伝えた。

「Yes! My mistress! I will protect this house. 」

隣りのチカは、高くて嗄れた声でそう言った。

「なんの真似なの?」

「ブラウニー。」

「誰?」

アニメのキャラか何かかと、瑠璃は想像していた。

「妖精だよ。座敷童みたいな感じの。」

「へえ。」

流石、妖精の国だわ。
瑠璃は微笑んでからハッとして、チカを見上げた。

「いるの?見えるの?」

幽霊が見えるくらいだ。
瑠璃が怖がるから、チカは余りそれを口にしないが。

「I'm here now.」

チカはまた、高くて嗄れた声を出した。

「もうっ!」

瑠璃はチカの腕を叩いた。

「家を守ってくれてるんだよ、瑠璃。怖い事なんて、ない。」

チカは微笑んで、視線を下にしている。

「いるのね、そこに。」

「ブラウニーは、瑠璃が大好きなんだよ。I love you so much.って、言ってる。」

また、その作り声で。
チカが愉快な男だと知っているし、瑠璃を楽しませる為の工夫をあれこれしているから、それが真実なのかは判らない。

だけど、その視線のチカの笑顔がステキだった。
見惚れてしまうくらい。

「じゃあ、ブラウニー、留守をお願いね。」

瑠璃も微笑んで、その先を見つめた。
ブラックキャブに乗り込み、駅に向かった。
パリに向かうユーロスターに乗る為に。


トーチカ~瑠璃シーン⑥後編12へ続く


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日本がコスプレ製品の性能がとても優れているとはテレビで見たことあるのですが、ロンドンにその手があるとか、質がどうとか、わたしは知りません。
でも、チカはある、といいます。

そんなん、知らんがな。

全てチカに任せてます。

この話はチカの独断場か?

さて、俺とお前の攻防戦、というように、徐々に徐々に氣がつくと、

あれ?な事になっているかもしれません。


ましてや、神楽シーン⑥後編25で神楽に瑠璃の浮氣話を語っているチカ。
これも対外的に打ち明けられる程度としてみたら、真実ではないかもしれません。

瑠璃とチカの攻防戦が、↑の頃にはふたりの間でどうなっているのか。

サスペンス劇場。


チカのキャラ変容が楽しい。
普通の俺キャラ
紳士な僕キャラ
執事な私キャラ
幼児な僕キャラ

で、俺キャラでも、
慇懃な俺キャラな時もあれば、
日本の若者俺キャラな時もある。

普段でも演技を心がけているのか、生活を楽しんでいるのか。
その愉快さは、ラテン系のノリなのか。
普通に性格なのか。
チカ、O型説、B型説。
A型が無難説。


オペラカルメン
有名な賑やかな前奏曲もそうですが
日本人は耳に馴染みが深い。
けれど、この曲が何の曲かを知ると、どうしてこれが運動会に流れるのか?と不思議。

チカは瑠璃にカルメンの刷り込みをつけてもいる。


トーチカ~瑠璃シーン⑥から読み返すと、チカはあちこちで刷り込みをつけてます、ぞわっ。

怖い男。

あ、神楽にも刷り込ませたのか。



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